MRI検査

どんな検査をするの?

当クリニックでは、高性能MRI1.5テスラによるMRIの検査に加え、CTやABI(血管年齢検査)の検査も行っております。
MRIという高度な医療機器を使い、脳の疾患や萎縮の発症を未然に防ぐための検査を行います。これまでの脳神経外科治療の経験を生かし、MRIを最大限に活用し、必要によってはCTでの検査も行っています。さらに、ABIの検査を行うことによって血管の詰まり具合を測定でき、脳血管疾患(脳梗塞など)の早期発見につなげる事ができます。
MRI1.5テスラ

検査はなぜ必要なの?

脳出血の原因となる脳動脈瘤、脳の血管がつまる脳梗塞、そして脳腫瘍など自覚症状のない症状を早期のうちに診断することが大切です。また、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)は、日本人の死因上位で、要介護となる原因の疾患です。

40代半ばから注意、頭痛やめまい

脳卒中は、40歳を境目に発症しやすくなります。今まで元気に生活していても、頭痛や手のしびれなどの症状が現れ、突然発症してしまうことがあります。脳卒中を発症すると、麻痺などの後遺症が残りやすく、寝たきりになったり、最悪の場合命に関わります。見えないところで病状が悪化し、症状が現れて手遅れになってしまう前に早期発見することが何より重要です。
自覚症状のないケースが多いことで知られていますが、発症すれば重い後遺症が残ったり、生命に危険が及んだりする可能性の高い疾患です。特に40歳以上の方で、糖尿病・高血圧症・高コレステロール血症などの病気をお持ちの方、くも膜下出血などを過去に患った近しい親戚がいらっしゃる方に、受診をおすすめします。
今までMRI検査を受けたことのない方は、一度受けてみることをおすすめします。検査を受けたことがある方も、定期的な検査を受けましょう。当日その場で患者さんと一緒に検査画像を確認しながら、結果を分かりやすくご説明いたします。

MRIについて

MRI1.5テスラ
MRI1.5テスラ
MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、磁場の力で体を構成する水素原子が小さい磁石として働くようになる性質を用いて、脳の断面を撮像します。急性期の脳梗塞などを得意としており、さらには、破裂するとくも膜下出血を起こす脳動脈瘤や、脳梗塞を起こす可能性のある脳動脈や頚動脈の狭窄などの脳血管疾患をいち早く見つけることができます。X線を使わず磁石を用いるため、放射線被ばくは全くない検査です。
また、MRIを用いた血管撮影像をMRAといい、脳血管の形状を検査することができます。当院では、高性能の1.5テスラMRIを導入しており、総合病院と同レベルの精細な画像診断を行うことができます。

CTについて

CT
CT
CT(Computed Tomography)では、X線量の差をデータとして集め、コンピュータで処理することによって、身体の断面画像を撮影します。特に、頭部CTは、出血病変や骨の画像診断に適しているため、頭部外傷や脳出血などの早期発見につなげることができます。当クリニックでは、16列マルチスライスCTを導入しており、撮影時間も非常に短く、最高レベルの検査が行え、さらにX線量を上げることなく精度の高い画像を撮影することができるため、患者さんに低負担で検査することができます。撮影された画像から高精細な3Dの立体画像をつくることができ、結果を説明する際に画像をご確認いただけます。

ABI(血管年齢検査)について

ABI(血管年齢検査)
ABI(血管年齢検査)では、足の動脈の詰まりを診断します。両腕・両足の血圧を同時に測ることによって、腕の血圧と足首の血圧の比を見て測定します。 健康な人では足首の血圧が少し高い値となりますが、足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧の値は低くなります。値が0.9を下回った場合は、足の動脈に詰まりがある可能性があります。

あなたの血管年齢は何歳ですか?

当てはまる項目が複数ある方は実年齢よりも血管年齢が進んでおり、動脈硬化による病気のリスクが高まってきます。気になられたら、なるべく早めに専門医に相談あるいは診察を受けることをお勧めします。
□血圧が高い(降圧剤を飲んでいる)
□血糖が高い(糖尿病の治療をしている)
□コレステロールや中性脂肪が高い(高脂血症)
□尿酸が高い(痛風の薬を飲んでいる)
□タバコ(加熱式を含む)を吸っている
□腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上
□家族に心臓病や脳卒中で倒れた人がいる
□狭心症や心筋梗塞と言われたことがある
□バランスの取れた食生活をしていない
□濃い味付けを好んで食べている
□普段から運動や散歩をしていない
□脚が冷たく、痛みやしびれもある

血管年齢と動脈硬化および脳卒中との関係について

「人は血管とともに老いる」という言葉を聞いたことがありますか?また、自身の血管年齢はご存じですか?実は欧米型の食習慣の普及や運動不足、そしてストレス社会と言われる現在では、暦の年齢以上に血管の老化・動脈硬化が進んでいる人が増えてきています。そこで、最近では動脈硬化の指標として外来でも行える「血圧脈波検査」が注目されています。これは動脈の硬さを表すPWV検査と、足の動脈の詰まり具合を表すABI検査を同時に計測することができ、同年齢の健康な方の平均値と比較することで「血管年齢」を知ることができます。最近よく耳にする肌年齢、骨年齢、肺年齢などという言葉は、暦の年齢だけでは把握できない身体の様々な働きや機能をいろんな方向から調べることができ、個々の体内年齢や健康状態を知る上で大切なものになってきています。
動脈は心臓から送り出される血液が流れる血管であり、私たちの体の隅々まで酸素や栄養を運ぶ重要な役割をしています。人間のあらゆる臓器は加齢とともに老化していきますが、この動脈も年齢とともに老化し、“弾力性”や“しなやかさ”を失い硬くなります。さらに動脈の内側にさまざまな物質が沈着することで内腔が狭くなり、血流が悪くなって詰まりやすい状態に移行します。このような動脈の状態を「動脈硬化」と呼び、さまざまな病気のもとになります。動脈硬化が心臓の血管に起きると狭心症や心筋梗塞を起こし、脳の血管に生じてくると脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を来します。また腎臓の血管に起きると腎硬化症による腎血管性高血圧や腎不全、大動脈に起きると大動脈瘤を作ったり、四肢の血管に起きると閉塞性動脈硬化症(最近では末梢動脈疾患と言います)などの病気の原因につながります。このような動脈硬化にはいくつか種類がありますが、一般的には粥状硬化症(じゅくじょう)という病理学的な変化を示し、脂質を含む粥腫(じゅくしゅ)が動脈の内側壁に蓄積しながら成長します。粥腫がしだいに大きくなるとプラークと呼ばれる隆起物となり、血管の内腔が狭くなります。動脈硬化といえば血管が硬くなるイメージがあるのですが、実はこの粥腫・プラーク自体は壊れやすく、プラークが破れることで血栓が誘導され、血管の内腔を完全に塞いだりします。さらには付着していた血栓が血流によって先の方(末梢)まで流れ出し、さらに奥の血管を詰まらせることにつながります。また、粥状硬化症は脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙などにより生じると考えられ、これらは動脈硬化の危険因子と呼ばれています。有名な内科医、ウィリアム・オスラー博士は「人は血管とともに老いる」という名言を残しました。私たちヒトの体は無限ではなく、あらゆる臓器は年とともに衰えていき、誰一人として逆らえません。血管も加齢とともに老化し動脈硬化が進んでいきますが、これらの危険因子をもっていれば血管の老化はどんどん速くなってしまいます。ですから動脈硬化について正しい知識をもち、その危険因子である生活習慣病(脂質異常症、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群など)に対する治療の必要性を患者さん自身が認識してもらうことは大切になってきます。
さきほども説明しましたが、動脈硬化症は血管壁に脂質やコレステロールが沈着し、血管の弾力性を失わせて硬く、かつもろく壊れやすくなる病気です。そのため動脈硬化があれば脳の血管でも血液が流れにくくなったり、血管に血栓が詰まりやすくなったりします。さらに血管が壊れやすいため脳出血を起こしたり、動脈瘤を作ってくも膜下出血を引き起こすことが大きな問題となります。このような状況を考えると、脳の血管がどの程度動脈硬化が起こっているかを把握することは重要な意味合いを持ってきます。当院では血圧脈波検査や採血にて動脈硬化およびその危険因子(脂質異常症、高血圧、糖尿病、メタボリック症候群)を検査しています。その上で必要があれば頸動脈エコーやMRI検査まで実施し、どれくらい動脈硬化があるのか、どの程度脳卒中になりやすいのかを検査しています。患者さん自身にも動脈硬化の怖さや生活習慣病をしっかり管理することの重要性を理解してもらい、脳の専門医として地域の皆さんの健康増進と健康寿命の延長に役立てたいと考えています。

脳卒中・認知症・ロコモティブ症候群は健康寿命を短くする最大要因です

最近よく「健康寿命」という言葉を耳にします。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。具体的には歩く・食事をする・トイレをするといった日常的な動作が自分自身で行え、さまざまな判断が自分でできる状態のことです。言い換えると「健康で人間らしい生活がおくれる寿命」ともいえます。しかし、誰の助けもなく日常生活を過ごせる期間(健康寿命)は、我々日本人の場合には平均寿命よりも10年程度短くなっているのが現状です。つまり、人生終盤においては何らかの障害のために人の手助けや援助を受けながら生活していることになるのです。では「援助や介護が必要となる原因や病気はどのようなものが多いのでしょうか?」今日本においては、脳卒中後遺症や認知症、さらには運動器障害(転倒・骨折・関節疾患)のために何らかの援助や介護を受けている人が大半を占めています。これらの病気やケガが高齢者に起こってしまうと、どうしても後遺症が残り自立した生活ができず、最悪の場合には寝たきりになる可能性がでてきます。ですから、少しでも健康寿命を延ばすには、このような脳卒中や認知症にならないための工夫が大切になりますし、また加齢に伴う転倒や骨折、あるいは関節疾患を起こさないための予防策が重要になってきます。

脳卒中の予防と治療

まず脳卒中にならないためには、その危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病などの生活習慣病に罹っていないことが最も大切です。もし、実際に何らかの治療を受けているのであれば、その生活習慣病を悪化させないためのコントロールが重要になります。高血圧は続けば血管を傷つけ、余分な糖と脂質は血管に溜まって動脈硬化を進行させます。ですから、動脈硬化のリスクのある人には血管年齢(血管の硬さ)や頸動脈エコー、あるいは頭部MRI検査を行って、脳血管の動脈硬化状態を調べていきます。その結果を踏まえた上で、生活習慣病の治療はもちろんですが、必要があれば今までの生活習慣の是正やその改善にも取り組んでいけるような手助けを行っていきたいと思っています。

認知症の予防と治療

今日本では65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症と推測されています。認知症は主に老化に伴って起こる症状であり、認知症は誰でも発症する可能性のある病気です。しかし、そのような認知症でも早期発見により病気の進行を遅らせたり、健康なうちからその予防に努めれば発症リスクを軽減できる可能性も知られています。一般にはアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症およびレビー小体型認知症が大半を占めています。最も多いとされるアルツハイマー型認知症は、異常な蛋白質が脳に蓄積することで神経細胞が死滅し、脳が萎縮していく病気です。その根本的な治療法はいまだ確立されたものはありませんが、もし高血圧、糖尿病、脂質異常症といった血管性危険因子を同時に治療している方では、認知症の病態に悪影響を及ぼしていることもわかっています。従って、これら血管性危険因子をうまくコントロールすることも、認知症の進行・増悪においては重要な課題となっています。さらに、高齢者においては趣味や旅行を楽しんだり、あるいは地域の集いやサークルに参加することは脳活動の活性化につながるとも言われます。ぜひ認知症予防および健康寿命の延長につなげることを目標に参考にしてみてください。

加齢に伴う運動機能の低下

ロコモティブ症候群(運動器症候群)とは運動器の障害により、基本的な運動能力が低下している状態を示します。筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板などに障害が起こると、やがてバランス能力・体力・移動能力などが衰え、立ったり歩いたりといった日常生活の中で行う簡単な動作が困難になってきます。日常のあらゆる動作は運動器の働きによって行われますが、加齢とともに体のあちこちに不調が現れ、運動機能の衰えも進みます。つまり高齢者はロコモティブ症候群になりやすく、転倒して負傷したことをきっかけに寝たきりになったり、体の痛みをかばううちに筋力が落ちたりして、介護が必要な状態につながりやすいのです。さらに加齢だけではなく、運動不足や食生活の極端な乱れもロコモティブ症候群に影響してきます。ですからバランス能力・体力・移動能力の衰えを少しでも予防するには、毎日の運動習慣とバランスの良い食生活は大切になります。自宅で簡単に行える「片脚立ち」や「スクワット」はお勧めですし、また毎日の生活の中にある動作、階段を使う、買い物に行くなど、運動の要素を積極的にプラスすることもロコモティブ症候群の予防につながります。
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頭痛、めまい、物忘れなどの症状のある方は、保険を使用してMRIの撮影が可能です。